甘酒を作るときのベストな温度は?
60度って本当に正解?
保温ポットで作ったら臭くなった…そんな経験ありませんか?
今回は、発酵教室でのよくある質問と、私自身の失敗談を交えながら
「甘酒がうまくいく温度管理のポイント」
を解説したいと思います。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
甘酒作りのカギは「温度管理」だった!
「甘酒は60℃で作るといいって聞きますが、やっぱりそれを守らないとうまくできませんか?」
これは、私が主宰している発酵教室の甘酒講座で、生徒さんからよくいただく質問です。
実は私自身も、甘酒を手作りし始めた時はうまくいかず、何度も失敗を重ねました。
特に、保温ポットで作っていた頃は、
酸っぱいような、少し臭みのある甘酒になってしまうことが多く、
「なぜだろう?」と悩んでいました。
これは正解?失敗?
とそれすらもよくわかっていなくて・・・
失敗だと思うのも悔しい・・なーんてこともありました ^ ^;
しかし、本当の甘酒は香りよくとても美味しいので、うまくいってなかったのです。
なぜ?
答えは簡単で、「温度を一定に保てていなかった」ことが原因でした。
今回は、そんな私の失敗談とともに、甘酒作りにおける温度管理の大切さを、初心者の方にもわかりやすくお伝えします。
発酵教室での質問「甘酒って60度じゃないとダメなんですか?」
発酵教室に参加される方は、発酵初心者の方が多く、最初に気になるのが「温度のこと」。
ある日の講座でも、生徒さんがこんな質問をされました。
「甘酒は60℃で作る、と聞きましたが、それよりも低い温度、または高い温度だとどうなりますか?」
とても良い質問です。
そして、この温度こそが、甘酒作り成功の“分かれ道”なんです。
私の失敗談:保温ポットで甘酒を作ったら臭くなった話
私も最初は保温ポットを使って、自己流で甘酒を作っていました。
「60℃くらいかな?」と感覚的にやっていたのですが、
できあがった甘酒は、酸っぱくて独特の匂いがする……。
「これを甘酒と言っていいのか?」と思うほど。
後になってわかったのですが、保温ポットでは温度が安定せず、
60℃を保つことが難しかったんですね。
温度が下がりすぎて発酵がうまく進まなかったり、逆に熱すぎて麹の酵素が壊れてしまったり……。
温度の「ゆらぎ」が、甘酒を美味しくないものにしていたのです。
甘酒は何度で作るのが正解?温度による違いを解説
「60度」が基本とされる理由とは?
甘酒作りで「60℃」がベストとされるのは、麹の酵素がもっともよく働く温度だからです。
- 麹が出す酵素(アミラーゼ)は、デンプンを糖に変えてくれます。
- その酵素が最も活性化する温度帯が57〜60℃と言われています。
この温度をしっかりキープできるかどうかが、
甘くて美味しい甘酒になるかどうかの分かれ道なのです。
低温(50度台)で作るとどうなる?
もし温度が50℃以下だと……
- 酵素の働きが弱まり、糖化が進みにくくなる
- 時間がかかる(10時間以上)
- 他の菌が繁殖しやすく、酸っぱくなる可能性も
じつは、私の最初の失敗もこれに近かったと思います。
保温ポットでうまく温度が保てず、低温になっていたんですね。
高温(65度以上)で作るとどうなる?
逆に温度が高すぎると……
- 酵素が熱で失活してしまう(つまり死んでしまう)
- 麹の働きが止まり、糖化が進まない
- 酸味やえぐみが出て、甘くならない
つまり、高すぎても低すぎてもダメ。
「60℃前後を安定して保つ」
というのが最大のコツです。
失敗しない甘酒の作り方と温度管理のコツ
甘酒を美味しく作るための基本ステップ
材料(基本の分量)
- 米麹:200g
- ごはん:600g(炊きたてでも冷ごはんでもOK)
- 水:300ml
作り方(基本)
- ごはんと水を混ぜて60℃まで温める
- 麹を加えて混ぜる
- 60℃をキープしながら8〜12時間保温
出来上がるまでに何回か混ぜます。
温度を一定に保つための工夫
私のように保温ポットで失敗した方におすすめなのが、
ヨーグルトメーカーや炊飯器(保温機能)を使う方法です。
ヨーグルトメーカーのメリット
- 自動で60℃をキープしてくれる
- タイマー機能付きで管理がラク
炊飯器の保温機能で作る方法
- ふたを少し開けて、布巾をかませて温度を調整
- 保温モードが高すぎる機種もあるので注意
よくあるトラブルとその対策
甘酒が酸っぱい/苦い原因
- 温度が低すぎて他の菌が繁殖
- 時間をかけすぎて発酵しすぎ
腐敗と発酵の見分け方
- 甘い香りがすれば発酵成功
- 酸っぱい・ツンとする臭いは要注意
まとめ|「温度」を制する者が甘酒を制す!
甘酒作りは、材料もシンプルで、作業自体は難しくありません。
でも、もっとも大切なのは「温度管理」。
私のように失敗して、
「なんで臭いんだろう?」
「酸っぱくなった……」
とがっかりする前に、ぜひ温度計を使ってチェックしながら作ることをおすすめします。
慣れれば温度計を使わなくても、ほったらかしでできるようになります!
発酵って、ちょっとしたコツと自然の理(ことわり)を知るだけで、
ぐっと身近に、楽しいものになるんですよ。
これから甘酒作りにチャレンジする方は、
ぜひ「60℃」のマジックを信じて、挑戦してみてくださいね!
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