味噌汁、好きですか?
私は嫌いでした。
それが、
若い頃京都のお寺の寮に入っていたことがあったのですが
そこの朝ごはんで出てくる「味噌汁」の美味しいこと!!
京都の味噌でした。
そこから私の「美味しい味噌探し」が始まりました。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
手作り味噌はなぜ美味しいのか? 田舎の知恵と常在菌の話
みんなで作る田舎の味噌|「手」が加わるから旨くなる
田舎の味噌作りは、まるでお祭りのようです。
大きなタライを持ってきて、大豆を挽く器具を麹屋さんから借りて準備をし、薪で大豆を煮ていきます。
そして若い人から年配の方までが手を入れて麹と塩を混ぜる。
ツバも汗も、そして何より灰が舞い飛ぶような、そんな現場(笑)。
きれいごとでは済まされない「リアルな現場」です。
でも、そんな風に“みんなの手”が加わるからこそ、美味しくなるんですよね。
毎年、私の発酵教室でも味噌作りをやっています。
一人一つずつのタライで作るのですが
ある年に生徒さんたちに「ぜひ手を入れてみて」と声をかけ、みんなでタライを回したことがありました。
お子さんもいたので、大人から子供まで。
それぞれのタライの大豆に全員手を入れてもらったのです。
すると、完成した味噌を食べた生徒さんがこう言ったんです。
「この年の味噌はすごく美味しかった!!🤩✨」
感動でした。
菌のちからと人のぬくもり|常在菌が味を変える?
人間は、誰でも「常在菌」を持っています。
これが実は、味噌の発酵にひと役買ってくれていたのでしょうか。
一人で仕込むより、いろんな人の手が加わったほうが、豊かな菌のバランスが整う。
これは科学的にも裏付けがあるのかどうかはわかりませんが、
昔の人は経験的にそれを知っていたのでしょうね。
最近では“無菌”が良しとされがちですが、味噌作りの現場では“手”という自然の培養器が美味しさを生み出す、ということが経験上わかりました。
発酵味噌講座の現場から|生徒さんの声と変化
私が開催している発酵教室でも、味噌作りは大人気の講座です。
特に印象深いのが、参加者の方からこんな声をいただいたこと:
- 「この味噌じゃないと子どもが食べてくれないんです」
- 「市販の味噌では食べなかったのに、自分で仕込んだ味噌だと毎日味噌汁を飲むようになりました」
やっぱり、自分の手で仕込んだ味噌って、どこか体に染みる美味しさがあるんですよね。
発酵は知識だけではなく、体験してこそ“腹落ち”する学びだなと実感します。
味噌汁が嫌いだった私がたどり着いた「美味しい手作り味噌」
実は私、子どもの頃は味噌汁が嫌いでした。
祖母が仕込んだ昔ながらの味噌は、真っ黒でしょっぱくて…正直、美味しいと思えなかったのです・・・
その味噌を使った母が作った味噌汁も、とても食べにくくて泣きながら食べていました(うちでは味噌汁は残しちゃいけない、厳しかったのです)
でも今振り返ると、あの味噌は「保存」が重視されていたのだと思います。
塩分は多めで、麹の割合も今ほどではなかったかもしれません。
その記憶を持ちながら、「美味しい味噌」をずっと探していた私が行き着いたのが、
「なんだ、自分で作ったのが一番美味しい!!」
という気づきでした。
手作り味噌なら、塩分も自分好みに調整できますし、麹をたっぷり使って旨みを引き出す“贅沢配合”もできる。
最近では、そういうリッチな味噌を楽しむ方も増えてきましたね。
なぜ今、手作り味噌なのか?|発酵は暮らしの原点
スーパーにはたくさんの味噌があります。
でも、自分で仕込んだ味噌には、数字では測れない“力”があるなあ、と感じています。
その土地の空気、その人の手、その年の気候。
すべてが味に映し出される。
まさに「手前味噌」という言葉があるように、味噌作りは暮らしの表現かも、と思います。
手作り味噌をきっかけに、発酵をもっと深く知りたいという方が増えています。
菌と暮らすというのは、理屈ではなく、
五感とともに味わうこと
ですね!
発酵の学びをもっと深めたい方へ
味噌作りは入り口です。
発酵の世界は広く、奥深さを感じずにはいられません。
私の発酵講座では、味噌をはじめ、麹、甘酒、発酵調味料などはもちろん、
梅干しや季節の野菜や果物を生かした調味料作りをやっています。
食べ物の他にも、布草履作りなどの「手仕事」もやります。
暮らしに根付いた“本物の知恵”を丁寧に伝えています。
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まとめ|手作り味噌は、自分と向き合う時間
味噌を仕込む時間は、自分と向き合う時間でもあるなあ、って思います。
ただの調味料ではなく、菌と共に育つ「生きた食べ物」。
毎日食べる味噌汁が、美味しくて、体に染みる味になる。
そして、今の味噌を継ぎ足して次に繋げる。
発酵食はそんなことができるのが、魅力だと感じています。
私はもう15年以上自家製酵母のパン教室をやっていますが、
酵母を作るときも同じです。
継ぎ足すんです。
「スターター」と呼ぶこともあるのですが、これを加えることによって
失敗なく、早く良い菌が増えていくんです。
もしかして私たち人間も同じかも・・・
なんて思ったりします(笑)
ではでは!
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