冷蔵庫がない時代
人はどうやって食を守ってきたのか?
土間、乾物、塩、発酵
──自然と共にある暮らしと昔の知恵から、現代にも活かせる保存術ほお話です。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
昔の知恵に学ぶ、冷蔵庫がない時代の保存術|自然と共にある暮らし
私たちの生活において、冷蔵庫はもはや“空気”のような存在です。
あるのが当たり前。
ないなんて考えられない──でも、ちょっと想像してみてください。
明日、突然電気が使えなくなったら?
冷蔵庫がただの箱になったら?
「え、そんなの無理!」と思うかもしれません笑
けれど、たった数十年前まで、人々は冷蔵庫なしで暮らしていました。
さらにさかのぼれば、何百年、何千年と、冷蔵庫なんてなくても
食材を上手に保存し、元気に暮らしてきたのです。
今回は、
「昔の知恵」
「冷蔵庫がない」
「自然と共にある暮らし」
という3つのキーワードをもとに、
電気に頼らずに食を守る方法を、自然と発酵の視点からお伝えします。
このお話を音声で聞きたい方はこちらから
冷蔵庫がないと生きられない?現代人の脆さ
当たり前になった「冷蔵保存」のリスク
そもそもなぜこんなお話をしようと思ったかというと
昔訪ねた「自然暮らしの達人」がいらっしゃってその方が
「冷蔵庫に物を保存したくないの。電気に囲まれている食材なんて生命力が落ちるわ」
とお話しされて”えーーー”と驚いたことがありました。
そんなこと考えたこともなかったですから!
それから他にもありました。
ある方は冬になると冷蔵庫を止めるそうです。
夏はさすがに…だけど食材を保存しやすい冬は工夫次第で十分なんだとか。
なるべく「電気」を使わないで自然に暮らしたい方です。
そんな方のお話を聞いて改めて考えてみました。
私たちは冷蔵庫があるのが当たり前だけど
昔の人はどうしていたんだろう??って。
パン教室のレッスンでも、受講生がたくさんのパンを焼いて持ち帰りますが
するとよく聞くのが、
「冷蔵庫も冷凍庫もパンパンで入らないんです…」
という声。
今や冷蔵庫は、“食材を入れる箱”ではなく、“詰め込むための倉庫”になっていませんか?
でも、もし停電したら?それがずっと続いたら?
冷蔵庫が止まれば、中の食材は一気に傷んでしまいます。
恐ろしい話ですよね。
昭和30年代まで、冷蔵庫は「ない」が普通だった

冷蔵庫が家庭に普及したのは、昭和30〜40年代以降。
それまでの人々は、冷蔵庫がないことを前提に食と向き合っていたのです。
つまり、「冷蔵庫がない」暮らし方こそ、長い人類の歴史の中では“普通”だったのです!
昔の知恵に学ぶ「冷やす工夫」|家そのものが冷蔵庫だった
台所は北向き。日光を避けて自然に冷やす
古民家を思い浮かべてください。
昔の家の台所は、家の北側に配置されていました。なぜか?
それは一日中、直射日光が当たらない「最も涼しい場所」だからです。
これは偶然ではなく、「日が当たらない=腐りにくい」という生活の知恵だったのです。
(*確かに私の実家も北向き!)
土間の冷気を利用する
昔の台所の床は“土”でした。
いわゆる「土間(どま)」です。
コンクリートやフローリングよりも、土の床は温度変化が少なく、夏でもひんやり。
つまり、家そのものを“自然の冷蔵庫”にしていたのです。

*写真はイメージです!
太陽と風で守る|乾物という保存食の叡智
水を抜くことで腐らせない
食材が腐る原因は、水分です。
雑菌は水がある場所で繁殖します。
ならば、水分を抜いてしまえばいい──それが「乾物」という発想です。
昔の人は、大根を切って干し、魚を干物にし、椎茸を天日で乾かしてきました。
しかも、乾物は保存できるだけでなく、旨味も栄養価もギュッと凝縮されるんです。

干すことで、ビタミンDが増加し、旨味成分(グアニル酸)も高まります。
舞茸を干すと、驚くほど深い味わいになりますよ。
塩で水を抜き、命を守る|塩の本来の役割
調味料ではなく「保存料」としての塩
塩には、水分を引き出す「浸透圧」の働きがあります。
野菜や魚を塩に漬けることで、水分が抜け、腐りにくくなるのです。

冷蔵庫がなかった時代、塩はまさに「命を守る保存料」でした。
梅干しもそうですよね。
うちには10年くらい経った梅干しがまだ現役であります♪
「敵に塩を送る」という言葉をご存知ですか?
それだけ、塩は戦時中でも貴重で不可欠なものだったのです。
菌の力で腐敗を防ぐ|発酵という高度な保存術
発酵食品はなぜ腐らないのか?
味噌やぬか漬け、発酵パンなど、発酵食品が腐らないのは
悪い菌が入る前に、善玉菌で食材を満たしているから。

麹菌、乳酸菌、酵母菌など、「人にとって良い菌」が先に住み着くことで、
悪い菌の繁殖を防いでくれるのです。
保存だけでなく、味や香りの奥深さも育てる
発酵は、ただの保存技術ではありません。
時間と菌がじっくりと素材を育て、旨味と香りを引き出してくれる、まさに自然のすごさです。

現代に活かす「自然と共にある暮らし」の保存術
干す・塩で漬ける・発酵させるを暮らしに取り入れる
実際に私が日常で取り入れている方法をご紹介します:
- 舞茸やえのきを薄切りにして天日干し。スープや炊き込みご飯に。
- 鶏むね肉や豚肉を塩麹に漬けておくだけで、しっとり旨味UP。
- 余った野菜はぬか床へ。立派な一品に早変わり。
「冷蔵庫がない味」に出会う楽しさ
電気がなければ、保存できない。
そう思い込んでいた自分に、昔の知恵が教えてくれるのです。
冷蔵庫がないからこそ出会える、深い味わいがある
おわりに|昔の知恵と自然の力に、もう一度目を向ける
お寺や古民家を訪れたとき、「なんだかひんやりと気持ちいい」と感じたことはありませんか?
それは、クーラーではなく、自然の力と昔の知恵が生み出す快適さ。
人と自然がうまく調和していた時代の“暮らしの温度”なのです。
私たちは「自然と共にある暮らし」を思い返し、本当の豊かさを
先人たちの暮らしに見出したいですね。
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