【農業体験の原点】高原での住み込み生活が私の自然暮らしのきっかけになった話

田舎暮らし

若い頃に飛び込んだ高原野菜の住み込み農業体験。

その体験が、今の発酵生活や自然暮らしの原点になっています。

自然体験を通して心が動いた瞬間、

得られた学びをエピソードとともにご紹介。

 

田舎暮らしに興味のある方、

発酵的ライフスタイルに惹かれる方にご参考になれば嬉しいです。

 

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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。

東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!

全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。

田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと

東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。

 

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【農業体験の原点】高原での住み込み生活が私の自然暮らしのきっかけになった話

若い頃、私は長野県の高原地帯で高原野菜の収穫を手伝う

“住み込み農業体験”

に飛び込みました。

 

大自然のなかで過ごした数週間は、今振り返れば私の

「発酵的暮らし」や

「自然とのつながり」

の原点でした。

 

ある夏始まった農業体験

小さい頃は好きじゃなかった畑仕事

 

小さい頃ははっきり言って畑仕事は好きじゃありませんでした。

小さい頃(確か小学生くらい)畑を借りていて、家族で週末になると畑仕事をやりに行ってたんですね。

 

歩いていける距離なんですが、けっこう山の中でした。

積極的に行ってたという記憶はなく、草ぼうぼうの道をかき分けて行ってたので

時にはヘビと遭遇したりして、行くのはおっくうでしたね。

父親が取れたてのラディッシュを食べて喜んでいたのを妙に覚えています。

小さい頃の記憶はそんな感じです。

 

農家さんとの出会いと仕事のリアル

そんな私が21歳の時、長野の高原野菜の住み込みアルバイトをやったんです。

京都に住んでいた頃ですから、そこから長野に1ヶ月ほど出かけていきました。

なんでやりたいと思ったのかなー?

長野の高原野菜か、北海道の牧場か・・・と迷っていましたから自然の中に行きたかったんですね。

いろんな体験をしてみたかった、ということだったかな。

今思うと、そこは山梨との県境だったので現在住んでいるところに近いんですよー。
(当時は地理的なものはよくわかっていなかった)

 

この体験はお盆を過ぎると思い出します。

なんでお盆過ぎると思い出すかというと、その時に農家の奥さんに

「お盆過ぎると涼しくなるよー」といわれて、

本当にその通りになったことにとっても驚いたのを思い出すんです。

 

そこは一般的な湿気の多い日本の夏のイメージとは違う、暑いけどさわやかな場所でした。

湿気が少ないんですね。

だから暑くても苦痛じゃない。さわやかなんです。

そんな過ごしやすい場所でしたが、実際にお盆を過ぎると本当に空気が変わるんです!!

通り抜ける風が違う。秋の風なんですね。朝夕は涼しいというか、肌寒い感じもしました。

なんなんですかね、これは??? と(笑)

 

今住んでいるところも自然いっぱいの山の中で、お盆過ぎると秋の空気に一気に変わってきます。

そのことを感じるたびに奥さんの言葉と一緒に当時のことを思い出すんです。

 

 

21歳の女の子が農家で住み込みの初めての農作業体験。

京都で一緒に寮に入っていた友達を誘って2人で出かけました。

友達とは住み込む農家さんが違っていたので(親戚同士でした)各家庭に別れました。

 

私が行ったのは30代のご夫婦2人暮らしのお宅です。

高原レタス、グリーンボールが主流の農家さんです。

朝から暗くなるまでとにかく収穫、箱詰め、出荷・・・の繰り返し。

壮大な畑がいくつもいろんな場所にあり、本当に終わるの?!といった量でした。

 

初めての農業体験 困難がいろいろ

まず困ったのは手首が腱鞘炎になりました。

1つ手に取れば軽いのですが、毎日毎日の野菜の重みで手首を痛めてこれは仕事にかなりの支障をきたしました。

本当に痛くて動かせなくなるんですね(><)

 

次に襲われたのは、腰痛です。

野菜をナイフで切って行くのですが、ずっと腰をかがめての作業。

もう痛くて痛くて・・・。

農家のおばあちゃんがみんな腰が曲がっているのが理解できました。

通年腰を曲げていればそうなりますね(泣)

 

そして疲労

慣れない仕事で身体がどっと疲れているけど、

休みなく次の日早朝に起きなくてはいけない。

これは一緒にいた仲間に励まされましたね。

私がくる前にもう一人女の子(年上でしたが)きていたんです。

彼女にいろいろ教わりました。

彼女は私よりも早く契約期間が終わって帰ってしまいましたが、

一緒に働いてたくさんのことを教えてくれて、本当に助かりました。

 

 

そんなこんなで農作業生活が始まったのですが、

なんと

一緒にきた友達が耐えきれずに帰ってしまったのです。

 

まあ、気持ちはわかります。大変ですから。

でも後で聞いたのですが、一番辛かったのは「ハエ」だそうです。

 

友達のうちは家畜もかっていたので、ハエが凄かったんです。

私もそこにはよく行ってご飯をご馳走になったりしていたのですが、部屋の中にもハエ、ハエ、ハエ・・・

テーブルの上や炊飯器の上なんかに真っ黒にビッシリとハエが止まっているんです。

すごい光景でした。

もう、住んでる人たちは当たり前になっているので気にしないんですね。

私はなぜかそんなに辛くはなかったのですが、友達はそれが一番の耐えられなかった理由だったそうです。

仕方ないですね(^^;

 

自然体験を通して気づいたこと

多分、生涯でこんな辛いことはもうない

身体の不調や、疲れ、慣れない生活。

炎天下の中、黙々と同じことの繰り返し作業。慣れるまでは本当に辛かったです。

こんな心身共に疲労困憊の辛い経験は初めてでした。

でも、思ったんです。

 

これができたらこの先なんでも乗り越えられる。

こんなにつらい経験はもうないだろう

 

そう思うと勇気が出てくるんですね。

乗り越えたら、もう怖いものはないぞ、って。

そんなふうに自分を奮い立たせていました。

 

農業体験も転機がくると楽しく

1ヶ月の約束で住み込みを始めましたが、後半に差し掛かってくると慣れてくるもんです。

腱鞘炎も腰痛もいつの間にかおさまって、体力もついてきます。

そして気候も秋の空気になり過ごしやすく仕事もやりやすい。

そうなるとなんだか楽しくなってくるんです。

 

 

楽しかったこと①

1日の農作業の間には休憩が2回あります。

その時にパンなどのおやつが出るのですが、それがけっこうボリュームがあるんです。

1日何食食べるんじゃ〜、というくらいなんですが食べちゃうんです。

そしてそのちょっとした時間が待ち遠しくなってきます。

おやつタイム、で一息つくのが楽しみでした。

 

楽しかったこと②

周りの農家さんにも住み込みで働きにきている人がたくさんいて、

私がいた間にも出入りがけっこうありましたね。

都会からきている学生さんとか、いろんな人と交流するのは楽しかったです。

1回お休みをもらってそこで知り合った友達と軽井沢へ出かけたことがありました。

そういうことも息抜きになって良かったです。

 

楽しかったこと③

農家さんたちは親戚が近いので交流がさかん。

親戚同士集まってバーベキューしたりカラオケしたりして一緒に仲間に入れていただきました。

 

いつもは仕事の鬼のように淡々と働いていて、「この人たち宇宙人?」と思うくらい

なんですが、実は遊ぶのも好きということがよくわかってほっとしました。

知識も豊富なので、自然に関すること、花の名前や気候についてとかいろいろ勉強にもなりました。

 

私の「頑張る原点」はここにある

楽しくなってきたらお別れの時、ということになるものです。

最後は本当に寂しかったです。

自分が農作業が好きだってこともわかりましたし、ずっとやってもいいなと思いました。

こういう人生もあるんだって、また人生を歩めるとしたら一つの選択肢だなって。

 

別れてからも農家さんとは交流があり、その年の冬には遊びにいかせてもらいました。

農家の冬!

この方達は夏のシーズンに1年分の収入を得るので、冬は基本的にはおやすみなんです。

すごいですね、そんな暮らし方があるんですね。

けっこう自由に遊んでいましたよ。スキーやったり、パチンコ行ったり。
(もちろん働く人もいますよ!)

 

そして、まだ飽き足らず次の夏にも短期間ですが、働きにいかせてもらいました。

今度は要領がわかっているので最初からスイスイと^^

本当にいい経験でした。

私の「がんばる原点」はここにあります。

 

 

「食べる」ことと「暮らす」ことのつながり

夏の高原野菜を売っているのを見ると思い出します。

スーパーで野菜を手に取るときには意識しなかった「収穫する人」の顔や汗。

それを実際に自分が体験したことで、「食べ物」への敬意が生まれました。

誰かが育ててくれた命を、自分がいただいている。

そんなシンプルで当たり前のことに、深く感動したのです。

 

きっと今もあの時と同じやり方で農家さんたちは出荷されているのでしょう。

お世話になったご夫婦。

もう30年以上経ってしまいましたが、お元気かな?

ふとそんなことも考えます。

 

今まで歩んできて、出会った人たちみんな今でも交流があるわけではありません。

その時その時で、出会いを味わって行くしかないんですよね。

今までの出会い、今現在の出会っている人たちとの時間を大切にしていきたいと思います。

そしてこれからの出会いを楽しみに。

 

都会暮らしから自然暮らしへと変化した価値観

便利さよりも、心の充実

便利な都会での暮らしから一転、不便さの中にこそある豊かさを知った夏。

真っ黒になって、朝から日が暮れるまで働き続ける。

そんな暮らしの中で、自分のリズムが自然に馴染んでいくのを感じました。

 

自然に寄り添い、自然の声を聴くこと。

それが人間本来の姿なのかもしれません。

 

そんな生活の中で「食べる時間が愛おしい」「食べる時間が楽しみ」

という通常の生活ではそこまでの執着はないというくらいの

「食べること」

が大切な日々でした。

 

農業体験を通して得た「発酵教室」の原点

自然と発酵の共通点

帰ってきた後も、あの体験が胸に残って離れませんでした。

山の中で木々の声を聞き、風を感じて日々を過ごす。

 

発酵という営みもまた、自然と共にあるもの。

自然の声を聞くという姿勢は、今の発酵自然食の暮らし方とどこか重なります。

野菜と向き合い、自然とともに生きる中で、

「自分もこういう暮らしをしていきたい」

と思いました。

毎日の中で育てた価値観が、今、発酵と自然食を伝える教室として形になっているのも確かです。

 

若き日の体験がくれた「挑戦する勇気」

自分にしかないストーリーを持つこと

誰かの真似じゃない、自分だけの人生を選ぶ。

その第一歩が、あの農業体験でした。

「やってみたい」気持ちを素直に信じて一歩踏み出したからこそ、今の私があります。

 

暮らしを「選ぶ」人生へ

あの20代の時の私はいろいろなことに挑戦してみたい、という欲求がありましたね。

あの体験から

私は「自然の中で生きたい」という気持ちが沸々と湧いてきたと思います。

 

自然体験・農業体験は、誰でもできる学びの場

田舎暮らしに憧れる人へ

一度自然に身を置いてみてもいいかと思います。

短期の農業体験でもいい。

数日でも構わない。

自然の中には、言葉にならない「学び」があります。

 

暮らしの基礎には「食」があり、

食の源は「土」や「自然」にある。

発酵も、自然と共にあるもの。

だからこそ、この自然暮らしは大きな意味を持ちます。

 

まとめ:自然体験を通して、暮らしを自分の手に取り戻す

あの長野での農業体験は、私にとって「挑戦」であり「目覚め」でした。

そこから始まった自然暮らしをしたい、という気持ちはずっと私の中心にありました。

食べること、育てること、発酵させること。

そのすべてが、生きることとつながっています。

 

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発酵教室について

発酵教室では伝統食、保存食を中心に昔ながらの知恵を楽しく作っていくレッスンを行っています。

発酵クラスでは3本の柱を作っています。

基本は

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「梅干」

「たくあん」

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みんな伝統食で保存食ですね。

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