「安いごまは油を抜いてある」
という噂を実際に調べてみました。
ごまの脂質、国内製造表示の意味、価格差の理由。
農家さんとの雑談から学ぶあれこれを
発酵と暮らしの講師がお話しします。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
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「安いごまは油を抜いてある」って本当?——実際に調べてみました
農家さんとの雑談から始まった疑問

昨日は、農家さんのところへお手伝いに行ってきました。
りんごや梨、ぶどう、いちじくなどを詰め合わせて、発送する箱を作るためです。
今年は果物が豊作で、りんごも梨も、木がたわわになっていました。
いちじくもたくさん収穫できたので、いくつかは、
私の発酵菓子作りにも使わせてもらおうと思っています。
休憩中、お茶を飲みながらいろいろな話をするんですが、新米の話になりました。
山梨のある農家さんで、もう新米が取れ始めているそうで、
少し分けていただいたり、玄米の注文をさせてもらいました。
お米のくずと、おせんべい屋さんの話

そこから、お米の話の話になったのですが、
お米を、もみから精米するときに、必ず出てくる細かいくず米。
以前は、鶏のえさとして安く売っていたそうなんです。
でも最近は、おせんべい屋さんが大量に仕入れるようになって、 鶏のえさとしては、もらえなくなったとのこと。
安く手放していたものが、思いがけないところで求められている。
そんな話を面白いなと思って聞いていたら、
「そういえば大豆も同じだよね」
という話になりました。
大豆も、油を搾ったあとに残る「脱脂加工大豆」が、 お醤油などの原料として、昔から広く使われているんです。
そして、
「ごまも同じように、油を搾ったあとに残るものがあるよね」
という話になりました。
ごま畑で聞いた、気になる噂

その農家さんでは、黒ごま、白ごま、金ごま、それにえごまも作っていて、 ちょうど収穫したいた時期でした。
ごま畑を見ながら話していると、
「安い胡麻は脱脂したごまを売っているらしい?!」
という話が出たんです。
「えー、そんなことはないでしょ!!!」
と反論したもの・・・
後になって気になりました ^ ^;
もしかして、 スーパーで安く売られているいりごま、脱脂したものなのかな、 と・・・
調べてみることにしました。
調べてみたら、意外な結果に
ごまはそもそも半分が油
まず、ごまという食材は、そもそも半分くらいが油分なんです。
文部科学省の食品成分データでも、ごまは100gあたり50gを超える脂質を含むとされています。
だからこそ、搾るとごま油が取れるわけですね。
安いごまも、しっかり脂質が入っていた

気になったので、実際にかなり安く売られているいりごまの、栄養成分表示を見てみました。
たとえば、スーパーでよく見かける、60g入り100円ほどのいりごま。
栄養成分表示を見ると、100gあたりに換算して、脂質は50g台後半ありました。
すると、しっかり脂質が入っていて、脱脂されている様子はありませんでした。
自然食品店で売られている、少し高めの有機いりごまの数値とも比べてみたんですが、 脂質の量は、100gあたり50g台で、ほとんど変わらなかったんです。
つまり値段の差は、油を抜いているかどうかではなく、
産地や、有機栽培かどうか、選別や焙煎の手間といった、別のところにあるようでした。
「国内製造」は「国産」ではない
パッケージに「国内製造」と書いてあると、なんとなく国産かなと思ってしまいがちですが、 これも実は、原料そのものが国産という意味ではありません。
海外で採れたごまを、日本の工場で焙煎して袋詰めすれば、 「国内製造」と表示できるんですね。
これ、夫ともよく話すんです。 「ここ、だまされるよね」って。
ごまに限らず、こういう表示は本当に多いので、 知っておくと、見え方が変わってくると思います。
値段が安いから何かされている、というより、
「国内製造」という言葉自体が、思っているより広い意味で使われている
ということなんですね。
それでも、脱脂したごまには意味がある
油を搾った後に残るもの

一方で、脱脂したごまという食材が、実際にないわけではありません。
油を搾ったあとに残るものは、 たんぱく質や食物繊維が、ぎゅっと濃縮された状態になります。
昔は、飼料や肥料として使われることが多かったそうですが、 最近では、たんぱく質の多い食品素材として、注目されているそうです。
大豆の脱脂加工大豆が、お醤油の原料として活躍しているのと、根っこは同じです。
「油を取った残りだから、価値が低い」 というよりも、
油を取った残りだからこそ、活かせる場所がある
という感覚の方が、実態に近いのかもしれません。
お米のくずと同じ、循環の仕組み

お米のくずが、おせんべい屋さんに求められるようになったのと、 ちょっと似ているなと思いました。
畑でとれた実も、精米の過程で出るくずも、油を搾ったあとのごまも、 どこかで誰かが、ちゃんと拾い上げている。
そう考えると、捨てるところなんて、 もともとそんなに多くないのかもしれません。
値段の理由を、ちゃんと知ろうとする

安いから、何かを抜いている。 高いから、自然のまま。
そんなふうに、単純に決めつけるのは、ちょっと違うのかもしれません。
値段の理由を、ちゃんと知ろうとする
それだけで、食べ物の見え方が、少し変わってきます。
今回、たまたまごまの話でしたが、同じような噂は、他の食材でもよく耳にします。
気になったら、値段だけで判断せずに、裏の栄養成分表示を見てみる。
それが、一番シンプルな確認の方法だと思います。
そういえば、今回は大根の種まきにも行ってきました。
これは12月の沢庵作りの発酵クラスで使うためのものです。
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