「ちゃんと手作りしなきゃ」
「正しいやり方でやらなきゃ」
というプレッシャーを、感じている方にお会いすることがあります。
今日は、そのプレッシャーを少し手放すきっかけになるようなお話をしたいと思います。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
毎朝メールより音声配信をしています。
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市販の調味料でもいい理由——家庭の味は「正しさ」より「安心感」でできている
市販の調味料でも、手が加わると「安心感」になる

いつも伺っているお家で、そこのお母さんが夏になるとよく漬物を出してくださいます。
ぬか漬け、浅漬け、たくあん。どれも本当においしくて、思わず
「どうやって作っているんですか」
と聞いてしまうほどです。
以前、作り方を伺ったときに、市販の調味料を使っているとおっしゃっていたことがありました。
そのお家の方は、その漬物をずっと食べて育っていて、
「これがうちの味」なんですね。
私も、本当においしいと思いました!
市販のものを使っていても、そこにその人の手が少し加わっている。
それだけで、ちゃんと安心感になるんですよね。
ゼロから手作りしなくてもいい、というこの緩やかさが、実はすごく大事なんじゃないかと思っています。
無理に手作りにこだわらなくても、家庭の味はちゃんと出せますし、
家族も、そして他の人も、ちゃんと喜んでくれるものなんです。
発酵の仕事をしていると、なんでもゼロから手作りしていると思われがちなんですが、実はそんなことはありません。
市販のものを上手に取り入れながら、そこに少しだけ自分の手を加える。
そのくらいのバランスの方が、日々の暮らしの中では、ずっと続けやすいと感じています。
完璧を目指して疲れてしまうより、ゆるやかに長く続けられる方が、
結局は暮らしを豊かにしてくれるんじゃないかなと思っています。
「正しいやり方」より、「うちのやり方」

教科書的には、昆布は沸騰前に取り出すもの
料理には、いわゆる「正しい作り方」というものがあります。
たとえば、昆布だしを取るとき、昆布は沸騰させる前に取り出すのが基本とされています。
沸騰させてしまうと、昆布から余分な雑味が出てしまうからです。
鰹節も、煮立たせずに、火を止めてから加えるのが良いとされています。
こうした基本は、確かに理にかなっています。
それでも、実家の味噌汁には昆布が入っていた

でも私の実家では、そんなことは気にせず、
昆布はずっと味噌汁の中に入れっぱなしで、一緒に食べていました。
「うちの味噌汁には昆布が入っている」
というのが、当たり前の光景だったんです。
あと、煮干しも入っていた笑
でも、だからといって、実家の味噌汁が間違っていたとは、まったく思いません。
むしろ、あの昆布の入った味噌汁を思い出すと、今でもほっとする気持ちになります。
教科書的に正しいかどうかよりも、その家に馴染んだやり方が、そのまま安心感につながっていく。
これも一つの、家庭の味なんだと思います。
家庭ごとの「うちのやり方」が愛おしい
目玉焼きに何をかけるか論争

こうした「うちのやり方」は、探してみると、意外といろいろなところにあります。
以前、生徒さんたちと
「目玉焼きに何をかけるか」
という話で盛り上がったことがありました。
醤油派もいれば、塩胡椒派もいる、ソース派もいる。
どれが正解というわけではなく、それぞれの家庭に、それぞれの当たり前があるんですよね。
次の日のカレーは、生卵とソースで

もう一つ、思い出深いのが、次の日のカレーの食べ方です。
私の実家では、カレーを何度も煮るので、次の日にはずいぶんとろっとした状態になっていました。
そこに生卵を落としてソースをかけて食べるのが定番でした。
卵をかき回すとちょっとゆるんでくるので、ちょうどいい感じのソースになるんです。
これを人に話すと、たいてい驚かれます。
でも、これもまた、うちの味であり、懐かしい家庭の記憶です。
写真映えより、ほっとする瞬間を

最近は、SNSなどで、丁寧に手順を尽くした、見た目も美しい食卓をよく目にします。
ああいうものを見ると、つい「自分もちゃんとやらなきゃ」という気持ちになってしまう方も多いと思います。
私自身も、正直、そう感じることがあります。
でも、日々の食卓というのは、写真映えのためにあるわけではありません。
毎日のことだからこそ、無理なく続けられる形を、それぞれの家庭で見つけていければいいんじゃないかなと思っています。
もし今、「ちゃんとできていない」と感じている方がいたら、まずは、ご自分の食卓を思い出してみてください。
そこに、ほっとする瞬間があるなら、
それだけでもう十分なんじゃないかなと思います。
こんなお話をしています。
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