最近、発酵にまつわる面白いニュースが、続けて3つ飛び込んできました。
夏の終わりから秋にかけては、こういう話題がぐっと増える時期でもあります。
今日は、その中から3つを選んで、ご紹介したいと思います。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
毎朝メールより音声配信をしています。
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麹はコーヒーに、味噌はマカロンに——伝統の発酵が、新しい形に化ける理由
麹がコーヒーになる時代

ひとつ目は、麹を使ったコーヒーです。
こうじ菌で発酵させたコーヒーに、熟成の麹パウダーを合わせたもの。
以前、ゆるり発酵サロンのメンバーさんに紹介したことがあります。
興味深いなと思ってお伝えしたのですが、実は私自身は、まだ飲んだことがありません。
麹の酵素やうまみが、コーヒーのまろやかさやリラックス感を引き出すのだそうです。
麹と聞くと、味噌や甘酒、塩麹のような、おなじみの発酵食品を思い浮かべる方が多いと思います。
でも今は、コーヒーの世界にも、麹が入り込んでいるんですね!
飲んだことがないまま人に紹介するのは、少し気が引ける部分もあるのですが(笑)
今度実際に試してみたいと思っています。
佐賀の味噌が、パリのマカロンになった日

2つ目は、味噌のマカロンです。
フランスの有名パティスリー「ピエール・エルメ・パリ」と、佐賀の発酵ブランド「MISOVATION」が手を組んで作った、新しいお菓子だそうです。
使われているのは、
佐賀県産の有機大豆と米
五島沖の海水塩
だけで仕込んだ、無添加・天然醸造の味噌。
120年以上の歴史がある蔵で、1年以上じっくり発酵・熟成させたものだといいます。
味噌を、ただの調味料ではなく、
香りと味わいを持つ、新しい素材として扱う。
そんな発想から生まれたお菓子です。
正直、これは私も知りませんでした。
味噌とマカロン、結びつかないようで、発酵のうまみと甘さは、実は相性がいいものです。
気になるお味は?

私も食べたことがなかったので調べてみました。
味噌の中に、白味噌とレモンのフレーバーが加えられているそうです。
甘酸っぱさと香ばしさ、そしてほろ苦さのある味わい、とのこと。
私も普段、自分で仕込んだ天然醸造のお味噌を使っていますが、あの奥行きのある塩味とうまみは、甘いものと組み合わせても、しっかり存在感を放ちます。
パン作りにも使うことがありますが、旨みのあるものになります ^ ^
きっと開発した方たちも、味噌の奥深さに気づいて、こういうお菓子を作ったのだと思います。
先日も、発酵クラスのメンバーさんたちとワークショップで会った時に、味噌の話題になりました。
私の発酵クラスでは、ここ数年、生徒さんが仕込んだ味噌を持ち寄って、味噌比べをしています。
同じ場所で仕込んだものでも、それぞれの家庭に持ち帰って熟成させると、また味が変わってくる。
家庭ごとの味になって、1年後にまた教室に戻ってくる。
これが、毎回楽しみになっています。
味噌は、
仕込む場所や、育てる環境によっても、味わいが変わってくる。
まだまだ奥が深いものだと、あらためて感じています。
麦麹が、ビールの壁を越える

3つ目は、ビールです。
麹菌を使って、ビールの作り方そのものを変えようとしている動きがあります。
国産のアルコール飲料は、原料のほとんどを輸入に頼っていて、国産の大麦を使う割合は、ごくわずかなのだそうです。
その壁を、麦麹の力で乗り越えようというプロジェクトです。
普段、ビールは、大麦を発芽させる「製麦」という工程を経て作られます。
そこを、麹に置き換える試みです。
耕作放棄地の活用や、地域の資源を無駄にしない仕組みづくりも、視野に入っているといいます。
麹が、味噌やお醤油、お酒だけでなく、ビールの作り方まで変えようとしている。
私はビールが好きなので、これはかなり気になっています。
発酵は、なぜこんなに広がっているのか

こうした3つの動きの背景には、発酵食品への関心の広がりがあります。
国内の発酵食品市場は、すでに2兆7千億円を超えていて、2030年には3兆円を超えるという予測もあるそうです。
以前、発酵スイーツの勉強会で、この市場の伸びをご紹介したことがあるのですが、いまだにこの流れは大きくなり続けています。
海外でも、味噌や醤油、納豆や甘酒が、健康的な日本食として注目されています。
輸出額は、前の年よりも15パーセントほど伸びているという話も聞きました。
麹や発酵が、台所の中だけの話ではなく、世界に向かって広がっている。
そう考えると、今回のようなニュースも、単なる話題づくりではなく、大きな流れの一部なんだと感じます。
伝統を守ることと、新しく挑戦すること

発酵食品の伝え方には、ふたつの道があると思っています。
ひとつは、今日紹介したような、新しい素材や新しい掛け合わせに挑戦する道。
もうひとつは、味噌や麹の仕込み方、時間のかけ方といった、昔ながらの技術を、丁寧に守っていく道です。
ちょうど今年から、サロンのメンバーさんたちとお醤油作りにも取り組んでいます。
どちらが正しいということはありません。
新しい挑戦があるからこそ、麹や発酵に興味を持つ入り口が増える。
そして、その入り口から入ってきた人が、いつか自分で味噌やお醤油を仕込んでみたいと思ってくれたら、それはとても嬉しいことです。
これから先、麹や発酵がどんな形に化けていくのか、まだ想像がつきません。
コーヒーになり、マカロンになり、ビールになる。
だとしたら、この先、もっと意外なものに化けても、驚かないのかもしれません。
そんな未来を、これから発酵をはじめる方も
すでに味噌やお醤油を仕込んでいる方も
一緒に楽しみに見ていけたらいいなと思っています。
伝統を守ることと、新しく挑戦すること
そのどちらにも、発酵の居場所があるのだと思います。




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