田舎に移住して17年、
便利さを手放したからこそ見えてきたもの。
「暮らしに時間をかける」
を実践した先にあった、循環する暮らしと発酵の知恵について綴ります。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
毎朝メールより音声配信をしています。
このお話を音声で聞きたい方はこちらから
田舎暮らしはスローライフじゃなかった——17年住んでわかった本当の忙しさ
昨日、長野の農業高校の授業でで自己紹介をする機会がありました。
初めましての生徒さんたちに、
「移住して17年目なんです」
と話しながら、自分のこれまでを振り返ってみたんです。
今日は少し違う角度から、私が田舎に移住したきっかけと、そこで見えてきたことを書いてみたいと思います。
「暮らしに時間をかける」を実践したくて始めた17年

東京から富士川町へ、そして森の中へ——二段階の移住
私が田舎へ移住したのは、2010年のことでした。
今年で17年目に入ります。
移住先は、富士川町というところ。
そこからさらに、去年の11月頃から少しずつ、山の中から森の中へと引っ越しをしました。
今年の春に、やっと落ち着いたところです。
今はまだ、新しい暮らしが始まって半年ほど。
改めて振り返ってみると、少しずつ暮らしのサイクルが変わってきたなと感じています。
スローライフどころか、忙しい毎日だった現実

↑ 移住したばかりの頃
私が田舎に移住したいと思った、一番のテーマ。
それは、「暮らしに時間をかける」ということでした。
忙しかった都会の生活の中で、暮らしというものを味わって、時間をかけるということが、なかなかできなかった。
それを、実践してみたかったんです。
この言葉は、今でもとても大事にしています。

いざ田舎に行くと、皆さんスローライフのイメージがあると思うんです。
でも実際は、違いました。
コンビニのような便利さも、実はあるんです。
都会と同じような生活をしようと思えば、できてしまう。
でも、あえてそこを置いておいて、時間をかけてみようと思うと思いました。
インスタントみたいにはいかない。
時間がかかるし、手間もかかる。
もうスローライフどころか、ハードライフでした(苦笑)
最初の頃は特に、昔のお家を借りて住んでいて、広い分だけやることも多くて。
家の中をバタバタと走り回る毎日でしたね。
これは、正直ちょっと意外なところでした。
玉ねぎがどう育つか知らなかった、都会での気づき

その代わり、特に食べ物については、こうやって時間をかけて育っていって、私たちの口に入ってくるんだということが、本当によくわかりました。
畑も、移住してすぐに始めて、7、8年ほど続けました。
お米も含めて、いろんな作物を作って、たくさん勉強になりました。
移住したばかりの頃は、まだ東京でお芝居のお仕事もしていて、よく通っていたんです。
その時、一緒になった朗読劇のグループに、元学校の先生だった方がいらっしゃって。
その方が、「玉ねぎがどうやって育つのか知らない」という話をされていたんですね。
私も、そういえば東京にいた頃は知らなかったなと、その時気づきました。
玉ねぎって、どうやって、どこにできるのか。
そんな話で盛り上がったんですが、知らない人、見たことがない人って、都会にはたくさんいるんじゃないかなと思ったんです。
自分たちが食べるものが、どうやって育っていくのかを知るということ。
これはすごく基本的なことだけれど、大切なことだなと感じました。
循環という知恵——コンポストと薪の暮らし
段ボールコンポストから始まった、土に還す暮らし

田舎の生活では、何より、循環させていくことの大切さも知りました。
まず取り組んだのが、段ボールコンポストです。
自分たちが食べた野菜の切れ端や、使わなくなったものを、土に還していく。
これは、以前ブログやラジオでもお話ししたことがあります。
【生ゴミ処理】段ボールコンポストで失敗した私が行き着いた「リンゴ箱」活用術!おしゃれで長持ちな自作コンポスト進化論
現在はりんご箱のコンポストを使っています(写真)。
私自身はできていないのですが、周りの友達には、トイレのコンポストを作って、循環させている方もいます。
ガスを使わず薪で子育てする友人との出会い

もう一つ、衝撃的だったことがあります。
知り合った友人が、ガスを通さず、薪の生活をしていたんです。
その方は、シングルマザーで、山の中で子供を育てながら、薪で暮らしていました。
お家に遊びに行かせてもらったんですが、水も山の水を汲んできていて。
本当に、手作りの生活でした。
こういう生き方もあるんだと、すごく刺激を受けたんです。
それで私も、そこに近づいた自然な暮らしがしたいと思う気持ちが深まりました。

うちも移住した当初から薪ストーブの生活をしています。
薪を割ったり運んだりする生活は大変ですが、燃やす時に、
「これはどこでいただいた薪だったか」
を、一つ一つ思い出すんです。
そういうことも含めて、循環させていく暮らしを、大切にしたいと思っています。
ご近所から教わった発酵の知恵と、発酵クラスの誕生

こうした経験を、これから人生を生きていく上での厚みにしていけたらと感じています。
昔ながらの、菌との共生や、発酵食、保存食の知恵
これも、移住してから、ご近所のおばあちゃんや農家さんから、たくさん教えていただきました。
今も、教えてもらっています。
そういう方々が、本当に素晴らしいなと思うことがたくさんあって。
これを伝えていかないともったいない、と感じたんです。
その想いから生まれたのが、発酵のワークショップである
「発酵クラス」と
今年から募集を始めた
「ゆるり発酵サロン」というコミュニティです。

二拠点で伝えていくということ
田舎で暮らしながら、都会にも通う。
二拠点で生活している方は、実はたくさんいらっしゃいます。二拠点で教室を持っている方も知っています。
ただ、頻繁に行き来しながら、田舎の暮らしの知恵を都会の方に体験してもらう。そういう役割を担っている人は、まだ少ないのかもしれないなと感じています。
これも、私にとっては一つのミッションのようなものだと思っています。
田舎の暮らしを本当に実践しながら、
都会でも伝えていく
もちろん山梨でも伝えていますが、二拠点で伝えていくということを、大切にしたいんです。
今は交通網も発達していて、田舎でもコンビニやスーパーがあって、都会と同じような生活をしようと思えばできてしまいます。
それでも、あえて違う道を選ぶこと。
そして、都会で暮らす方々に、その道を体験してもらうこと。
そういうことをやっていく道筋を日々考えています。
ここ最近は、東京をはじめ県外から山梨に来てくださる方が、とても増えました。
以前は考えられなかったことです。
年に一度の家族旅行のような形ではなく、本当に頻繁に通ってきてくださって、森の暮らしを楽しんでくれる。
これは、本当にありがたいことだなと思っています。

まとめーー便利さを手放したからこそ見えてきたもの
今日は、田舎に移住してから見えてきた、便利さより大切だったものについて書きました。
「暮らしに時間をかける」
を実践したくて始めた田舎暮らしは、スローライフどころか、忙しい毎日でした。
それでも
食べ物が育つ時間や
循環させていく暮らしの知恵
薪で暮らす友人との出会い、
ご近所から教わった発酵の知恵
便利さを手放したからこそ見えてきたものが、私にはたくさんあります。
今、発酵のプロ講師養成講座で学んでくださっている皆さんが、これを一緒に形にしようとしてくれていることも、本当に嬉しく思っています。

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