砂糖を使っていないのに、甘酒はどうしてこんなに甘くなるのか。
麹菌の酵素の働きと糖化のしくみ、甘酒の歴史から、
砂糖に頼らない甘さの正体についてお話しします。
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発酵食品を手作り、田舎暮らしを実践している椿留美子です。
東京から家族で移住、のんびり・・と思いきや、全く忙しい!
全然スローライフじゃないよ〜、と思いながらあたふたしています。
田舎暮らしの知恵と奥深さをお伝えしたいと
東京と田舎を行ったり来たりしながら発酵教室を開催しています。
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砂糖を使わないアイスクリーム——甘酒だけで作る、この夏のひんやりおやつ
混ぜて凍らせただけなのに、こんなに甘くて美味しい

昨日は、ゆるり発酵サロンのオンラインレッスンで、甘酒アイスをみんなで作りました。
甘酒を材料と一緒にミキサーで混ぜて、あとは凍らせるだけです。
工程はとてもシンプルなのですが、できあがったアイスは、ちょっとしたジェラートのような食感になります。
そして何より驚くのが、甘さです。
砂糖は一切使っていません
それなのに、甘すぎるくらい甘いのです。
この「なぜこんなに甘くなるのか」というところを、
今日は少し掘り下げてお話ししたいと思います。
甘酒の甘さの正体は、麹菌が作り出す「酵素」

甘酒の甘さは、砂糖を加えて生まれる甘さとは、そもそも成り立ちが違います。
米麹甘酒は、お米に米麹と水を加えて作ります。
米麹には、麹菌が作り出したたくさんの酵素が含まれています。
この酵素が、お米に含まれるでんぷんを分解して、ブドウ糖に変えていきます。
でんぷんのままでは甘みを感じませんが、
小さなブドウ糖にまで分解されると、舌が甘さとして感じ取れるようになります。
この「でんぷんが糖に変わる」働きのことを、糖化といいます。
甘酒の濃厚な甘さは、砂糖の甘さではなく、
この糖化によって生まれた、お米そのものの甘さなのです。
麹菌が作り出す酵素にはいくつも種類があって、
でんぷんを分解する酵素だけでなく、たんぱく質を分解する酵素も含まれています。
たんぱく質が分解されると、アミノ酸が生まれます。
アミノ酸は、旨みのもとになる成分です。
甘酒が、ただ甘いだけでなく、どこか奥行きのある味わいに感じられるのは、
この旨み成分も一緒に生まれているからだと思います。
甘さも、旨みも、砂糖では作れません。
麹菌が働いてくれたからこそ、生まれる味わいです。
麹自体も、菌の発酵から生まれたもの

糖化という言葉だけを聞くと、化学の実験のように感じるかもしれません。
でも、この糖化を起こしている酵素を作り出しているのは、麹菌という生きた菌です。
麹は、蒸したお米に麹菌を繁殖させて作られます。
これは紛れもなく、菌の発酵によって生まれたものです。
つまり甘酒は、菌の発酵によって生まれた麹が持つ酵素の力で、
お米の甘さを引き出した食べ物だといえます。
砂糖を足しているのではなく、菌の力を借りて、
もともとお米の中に眠っていた甘さを目覚めさせている。
そう考えると、甘酒の甘さの見え方が、少し変わってくるのではないかと思います。
「飲む点滴」と呼ばれてきた、甘酒の歴史

甘酒は、日本書紀にもその原型が登場するといわれるほど、古くから飲まれてきました。
江戸時代には、甘酒売りが夏の町を売り歩いていたそうです。
冬の飲み物というイメージがあるかもしれませんが、
江戸時代には夏バテ防止のための栄養補給として、夏によく飲まれていました。
甘酒に含まれるブドウ糖は、体にすぐに吸収されるエネルギー源です。
ビタミンB群も豊富に含まれていて、疲労回復にも役立つといわれています。
その栄養価の高さから、甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれています。
暑い季節に、砂糖を使わない甘酒アイスで涼をとるというのは、実は昔からの知恵にかなった、理にかなった食べ方なのかもしれません。
ちなみに甘酒には、米麹から作るタイプと、酒粕から作るタイプの2種類があります。
酒粕から作るタイプには、微量のアルコールが残っています。
私たちが今回アイスに使ったのは、米麹から作るタイプです。
こちらはノンアルコールなので、お子さんも安心して食べられます。
作ってくださった方々の声
実際に作ってくださった方から、こんな感想をいただきました。
「とても甘くてびっくりした」
「でもすっきりとした甘みで、砂糖を使っていないので、とても安心して食べられる」
「とても美味しい」
砂糖を使っていないという安心感と、それでもしっかり甘くて満足感があるという発見。
この両方を味わっていただけたようで、本当に嬉しかったです。
プレーンの他にも、ココア味やごま味、それから今の時期に豊富な桃やすもも、ブルーベリーを使ったものも作りました。
どれも砂糖の甘さとは違う、お米由来のやさしい甘さを楽しめます。

↑ 参加者メンバーさんのアイス✨
桃とすももを重ねた、夏らしいパフェにも
このアイスを使って、パフェも作ってみました。
コーンフレークやオートミールを土台にして、桃とすももをカットしたものを重ね、プレーンとごまのアイスをのせて、最後にブルーベリーを散らします。
見た目も華やかで、砂糖を使っていないとは思えないほど、満足感のある一皿になりました。

↑ オンラインレッスンで作った様子。
まとめ——天然酵母パンも甘酒も、菌の力を借りている
天然酵母パンを膨らませているのも、菌の力です。
甘酒を甘くしているのも、菌が作り出した酵素の力です。
どちらも、私が何かを足して作っているのではなく、
菌の働きにお任せして、もともと素材が持っている力を引き出しているだけなのです。
砂糖に頼らなくても、菌の力を借りれば、こんなに甘くて満足感のあるものが作れる。
そのことを、あらためて実感した一日でした。
暑くなってくるこの時期、ぜひ甘酒アイスを試してみてほしいです。
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